感染症とはウイルスや細菌が体内に侵入し、増殖して発症する疾患の総称です。特にお年寄りや乳児、妊娠中の女性は症状が悪化する危険性が高いので注意が必要です。人が集まる学校や職場、満員電車では感染が拡大する可能性があります。また、災害時避難所は多くの人がひとところで生活しなければなりません。避難生活の長期化に伴い、ストレスや栄養不足などで免疫力がおとろえると、感染症にかかるリスクが高まります。できるだけ生活環境を清潔に保ち、―人ひとりが感染症の予防対策をとることが重要です。
感染症を予防するには第一に感染経路を絶つことが大切です。
感染症予防の基本は手洗いうがいです。石けんで指先から爪の間まで念入りに洗いましょう。
● 外出先から帰った時
● 感染症物質に汚染された表面に触れた後
● 血液や体液に触れた後
● トイレを使用した後
● クシャミや鼻をぬぐった後
● 調理や食事の前
感染者の血液や体液、吐しゃ物、排せつ物に触れる可能性がある場合は必ず手袋をして接触を防ぎましょう。
感染の予防だけでなく、自らが他の人に感染させないために、咳やくしゃみがでるときは必ずマスクを着用しましょう。
アルコール消毒の場合は、短時間で付着している菌を確実に減らすことができるため高い予防効果が期待できます。しかし、アルコール消毒には、手の汚れを落とす効果はありません。明らかに手が汚れているときは、まず石けんで手を洗い、完全に乾かした上でアルコール消毒をしましょう。ウイルスや細菌の中にはアルコール消毒による殺菌が期待できないものもあるので、石けんでの手洗いとアルコール消毒を併せて行うのが最も効果的です。
息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)を感じる等、感染症を疑う症状が発症した場合、まずはかかりつけ医等の身近な医療機関に電話で相談しましょう。相談する医療機関に迷う場合は、受診・相談センターに相談してみましょう。
受診・相談センター: ◎岐阜市保健所/058-252-0393 ◎休日・夜間電話相談窓口/058-272-8860
感染症が蔓延している中でも、災害時には、危険な場所にいる人は避難することが原則です。
避難所においては、「密閉・密集・密接」になりやすく、感染が拡大する可能性があります。特に高齢者や基礎疾患のある被災者は重症化のリスクが高いので留意しましょう。
感染症蔓延を防ぐ為、避難先は避難所だけでなく、「在宅避難」や親せき宅、知人宅、立体駐車場等に一時的避難(風水害の避難時)をするなど「分散避難」について事前に検討しておくことが重要です。
水害時の在宅避難では、自宅が家屋倒壊等氾濫想定区域に入ってないか、浸水深より居室は高いか、水が引くまで我慢でき、水や食料の備えが十分か。この3つが確認できれば浸水の危険があっても自宅にとどまることが可能です。
避難所へ避難する場合は避難所受付時の混雑を防ぐため、受付で記入する「避難者カー ド」を事前に記入しておきましょう。
● 非常用持出し袋に、使い捨て手袋・マスク・消毒液・石鹸・体温計等の準備をしましょう。
● 避難当日の健康状態を「健康状態チェックカード」に記入し、避難所の事前受付に提出してください。
● 定期的に健康状態について確認し、手洗い・手指消毒、マスクの着用、咳エチケット等の基本的な感染対策を徹底しましょう。
● 避難所内については、十分な換気に努めるとともに、十分なスペースを確保しましょう。
● 食事は少人数で行い、ゴミの処理は個人で行いましょう。
● 物品等は定期的に、家庭用洗剤を用いて清掃するなど、避難所の衛生環境をできる限り整えましょう。