土砂災害が発生した場合、住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域です。過去の土砂災害による土砂の到達範囲などを勘案して設定されます。
警戒区域のうち土砂災害が発生した場合、建築物に損壊が生じ住民の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限や居室を有する建築物の構造が規制される土地の区域です。
土砂災害警戒区域の場所だけでなく、避難場所、避難所や避難経路、経路上の危険箇所もハザードマップで確認しておきましょう。
岐阜市で発生するおそれのある土砂災害には「がけ崩れ」「土石流」の2つの種類があります。
また、土砂災害の発生前には前兆現象がみられることがあります。前兆現象を感じたときには速やかに避難しましょう。
土砂災害警戒区域
岐阜市内:336箇所
(特別警戒区域を含む箇所333箇所)
<特徴>
斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。
<主な前兆現象>
● がけにひび割れができる
● 小石がバラバラと落ちてくる
● がけから水がわき出る
● 湧水がとまる、濁る
● 地鳴りがする
土砂災害警戒区域
岐阜市内:280箇所
(特別警戒区域を含む箇所214箇所)
<特徴>
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。時速20km~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させる。
<主な前兆現象>
● 山鳴りがする
● 急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
● 腐った土の匂いがする
● 降雨が続くのに川の水位が下がる
● 立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる
1時間に20ミリ以上、または降り始めからの降雨量が100ミリ以上になったときには土砂災害が発生する恐れがあります。
強い雨が降り出したときは、積極的な情報収集に努めましょう。
●参考となるホームページ|ぎふ土砂災害警戒情報ポータル
土砂災害警戒情報を補足する情報や、県内の雨置観測所における観測結果などを見ることができます
土砂災害警戒情報は大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、土砂災害発生の危険度がさらに高まったときに、避難の判断の参考となるよう、厳重な警戒を呼びかける情報です。土砂災害警戒情報が発表されたら、土砂災害の発生する恐れのある危険な場所には近づかないようにするとともに、防災行政無線や広報車等の呼びかけに注意し、命を守るために 「早めの避難」を心がけましょう。
丘陵を切り崩して造られた造成地は、豪雨で地盤がゆるむと崩れやすくなります。また、傾斜が30度以上、高さが5m以上ある場所はがけ崩れの危険があります。樹木があまり生えていない渓流は土石流の危険性が高まります。
前兆現象の発生など、異変を感じ、危ないと思ったら、避難指示などが発表されていなくても早めに警戒区域の外へ避難しましょう。
避難する際は、できるだけほかの土砂災害警戒区域は通らないようにしましょう。
土石流のスピードは、時速20km~40kmととても速く、流れに背を向けて逃げても追いつかれてしまいます。土石流に直面してしまったときは、土砂の流れる方向に対して直角に走って逃げましょう。
雨で避難路が浸水している場合は、無理に避難所を目指すほうが危険な場合があります。逃げ遅れた時や、屋外を通って避難するほうが危険な場合は鉄筋コンクリー ト造等の丈夫な建物の2階以上に避難しましょう。また、土砂災害の被災者の多くは木造の建物の1階で被災しています。普段1階で寝ている方は、2階以上、かつ土砂災害の危険のある斜面とは反対側の部屋で寝るようにしましょう。
土砂災害により直接的な被害を受けなくても、周辺の道路が崩れたり、土砂により道路が寸断されて、集落が孤立してしまう可能性があります。備蓄品は、地震以外の自然災害時にも有効ですので、家庭の備蓄を充実させておきましょう。